夏の水難・海難対策まとめ【夏に起こる水の危険を改めて再認識】

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夏は水の事故が多くなる季節です。あなたは、大切な人と海・川・プールなどで楽しむこともあるでしょう。そんな中で、急な水の事故に遭ってしまい、楽しい機会が台無しに‥。1つ間違えれば、命に関わる場面も‥。そういう悲しい結果を出さないようにしたいものです。そのためには水難事故に遭遇した時の対処法を学ぶ必要があります。

そこで今回は水難事故の事例と事故に遭わないための行動、もし遭った時の行動についてまとめました。

 

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2020年は水の事故が増えていた⁉

2020年は例年より水の事故が増えています。件数としても、子ども(中学生以下)の水難事故は、2020年の7月では4人死亡しています。水難事故を研究する水難学会のまとめでは、暑い日が増え始めた5月以降、全国で少なくとも11人の子どもが溺れて亡くなっています。

なぜ今年は多いのか?その疑問に対して懸念されていることは下記の2点です。

  • 子どもの自由時間の増加
  • プール授業が少なくなり、水の危険を指導することが減った

新型コロナウイルス感染症が流行した2020年。7月になり学校においてのプール授業も中止が相次ぎ、子ども達が水になれていない状況です。そのため、水の事故に遭う可能性が高まっています。注意が必要です。

夏の水難事故で多い事例と避けるべき行動

夏の水難事故が起きやすいシチュエーションは、

・プール
・川
・海

です。

どういった点に危険が潜んでいるのか。また、何に気をつけるべきなのか見ていきましょう。

プール

プールは監視員がいて安心。と思う方も多いかもしれませんが、全てを見渡せているわけではありません。特に流れるプールなどは注意が必要です。小さい子供と一緒に来ている方は、目を離さずに離れないようにしましょう。

川は急な気候の変化によって水流が増加することもあります。また、川底には足をケガするようなモノが沈積している可能性もありますので素足で歩くことは避けましょう。その他にも、急に水深が深くなる部分や川の流れが早くなっている箇所もあるので、まずは川遊びする場所で危険な箇所がないか把握することが重要です。

海では、「離岸流(りがんりゅう)」の存在を認識しておきましょう。「離岸流(りがんりゅう)」は岸から沖に強い流れが発生することを言います。この離岸流に巻き込まれると、水泳選手でも流れに逆らい泳ぐことは困難です。基本的には海水浴場内は、離岸流が発生する危険性は少ないと言われています。ですので、海水浴場内で必ず泳ぐことをおすすめします。

マリンスポーツの危険も把握しよう

周囲を海に囲まれた日本では、マリンレジャーを楽しむことができます。その反面で、水の事故が後を断ちません‥楽しいひと時を暗転させないために、マリンレジャーを楽しむためのポイントをしっかり抑えましょう。海へ行ってマリンスポーツを検討している方は必見です。

具体的には、

・遊泳
・海釣り
・サーフィン
・モーターボート/水上オートバイ

上記4つについて、注意するべきポイントをまとめました。

遊泳

マリンレジャーの約3割を占める遊泳による事故。事故を防いで安全に遊泳するため、下記の点に注意してください。

  • 管理された場所で泳ぐ
  • 海にいる危険な生物に注意
  • 海が荒れている時は泳がない
  • お酒を飲んだら泳がない
  • 子どもから目を離さない
  • 自分の体調には素直に耳を傾けて
  • 引用政府広報オンライン
海釣り

「海釣り」の場所となる防波堤や岸壁、磯などは、多くが波しぶきなどで濡れたり海藻に覆われたりして滑りやすくなっています。そのため、ちょっとした不注意で足をすべらせ、海中に転落することがあります。また、突然の大波に足元をすくわれて海中に転落することもあるので注意が必要です。

最低限必要な装備と4つのポイントを下記にまとめました。

【最低限必要な装備】

  • ライフジャケット
  • 防水パック入り携帯電話
  • 釣り場に応じた履物

 

【4つのポイント】

  • 無理をしない
  • 単独行動をしない
  • 釣行計画を第三者に伝えておく
  • 立入禁止区域に入らない
サーフィン

サーフィンにおいては「負傷」がもっとも多く、「帰還困難」が次いで多いです。

注意する点は下記になります。

  • 海に出る時は必ず気象/海象情報を入手する
  • 自分の技量や体力に応じて活動する
  • 単独でのサーフィンは絶対避ける
  • ウエットスーツを着用する
  • ルールを守り、周囲の状況に注意する
  • 引用政府広報オンライン

モーターボート/水上オートバイ

マリンスポーツにはサーフィン、遊泳や海釣りなどの「海浜型」と、モーターボートや水上オートバイなど海岸付近から沖合まで広範囲で行うものもあります。その中で、モーターボートや水上オートバイは「プレジャーボート」と呼びます。事故の内容をみると、「機関故障」、「無人漂流」、「推進器障害」など「運行不能」が最も多いです。

注意する点は下記になります。

  • 発航前には必ず船体・機関を点検
  • 気象/海象情報を確認
  • 全員がライフジャケットを必ず着用する
  • 船行中は確実に見張りを行う
  • 海上交通ルールやマナーを守る
  • 携帯電話などの連絡手段を確保
  • 引用政府広報オンライン

    「酔泳」は命を落とす危険性が高い

    飲酒後の死亡率は飲んでいない時の2倍と言われています。ですので、飲酒したら泳ぎに出ないことが大切です。「酔泳」にも2つのケースがあります。それは下記の2つです。

    自ら酔った状態で入水し、発生した酔泳事故

    自ら酔った状態で入水したケースでは、飲酒したことで遊泳力が低下しており、溺れる危険性が高まっています。「お酒に強いから平気」というものではなく、お酒を飲んだら入水しないことが重要です。

    自身では酔った状態で入水するつもりはなかったが、意図せず結果的に泳がざるえない状況になったケース

    こちらのケースは、一緒に来ていた友人や家族が溺れかけている状況のため、飲酒後に入水し、自分自身も溺れてしまうケースです。本来であれば入水する意思はなかったのに、結果的に酔泳してしまったケースです。アルコールは遊泳力を低下させるだけでなく、判断力も鈍らせてしまいます。例え救助目的であっても、入水行為は避けるべきです。

    実際の対処法

    実際に遭遇してしまった時にできることを紹介します。

    すぐにやることは下記の3点です。1つずつ解説します。

    ① 浮くものを投げる

    ペットボトルなど、要救助者が浮遊する手助けとなるものを投げましょう。とにかく少しでも水面上に顔を出させるよう努めます。ここが命がつながるか明暗をわける所です。

    ② 周囲に助けや応援を求める

    自分達だけで助けようとしてはいけません。救助が必要と判断したら早急に助けや応援を求めましょう。

    ③ 118、119、110に電話する

    もっとも優先すべき事項です。もし、連絡ツールが近くにない場合は連絡ツールが置いてある場所へ移動しましょう。また救助が必要な場所によって、海上保安庁、消防署など連絡先が異なりますので注意が必要です。

    【経験談を語る】消防署に入電した実際の水難事故要請内容

    筆者は元消防士。実際に川において発生する水難事故について事例を提示しながら危険な行為について振り返ってみます。私の所属していた消防の管轄区域では、夏場に川でマリンスポーツとして水上オートバイを楽しむ人が多い地域です。その反面で水難事故も年に数十件は要請があります。

    特に多かったのは「①子供の水遊び中の入水、帰還困難」、「②マリンスポーツ中の負傷及び帰還困難」、「③自傷のための入水(疑い含む)」です。

    ①については、親など保護者が目を離さずみておく。
    ②については、マリンスポーツを行う前に救命具の取り扱いを熟知しておく。
    ③については、防止策は簡単に見出だせませんが、その過程のどこかで救いの手を差しのべることができれば自傷行為せずに済んだかもしれません。

    そうならないための対策が必要なのでしょう。今回の水難事故対策から話はそれてしまいますが‥。

    実際の要請内容

    ケース1

    「20代女性が水上オートバイから落水し、足をケガしている」との内容で救急要請がありました。現着時は、右脛(すね)部のあたりに打撲した痕跡を認め、少し腫れている様子でした。

    応急処置と対策
    こういった何かしらの物にぶつけたことでケガをして足が腫れている場合は、不必要に動さず冷却します。

     

    また変形がみられる場合では、当て木など使用して動かさないよう努めましょう。

    ケース2

    「10代男性、友人と遊泳していたところ流された」との指令内容で救急要請がありました。現着時、傷病者は川の中心部付近に浮遊している状況でした。一緒に遊んでいた友人は全員高校生。急に流されてしまい川の中心付近まで流されてしまったようです。幸い、泳ぎには慣れていたため背浮き(※)ができていました。
    ※背浮きとは、いわゆる「ラッコの体勢」と呼ばれるもので、ラッコのように仰向き、つまり背浮きすることで、口や鼻を水面の上に出し呼吸できるようにする方法。

    浮輪を傷病者付近に投げて、浮輪に捕まったのを確認し、浮輪に取り付けたロープで岸まで牽引。救出に至りました。

    応急処置と対策 
    帰還困難状態に陥った場合、救助のために泳いで助けには行かず、ペットボトルなど浮くものを投げて、救出を待ちましょう。二次被害防止のためです。同時に、助けを求めます。今回は川で発生した水難事故です。まず、119番通報しましょう。もし通信手段がなければ、その場を離れて助けを求めに行きましょう。自分達だけで救出を考えてはいけません。

     

    以上、実際にあった救助活動でした。

    私の所属していた消防本部は、自然に囲まれた場所ではありません。ですので、都市圏でも起こりうることだと認識しておかないといけません。もちろん、プールなどでも発生する可能性があることであります。

    まとめ

    夏の水難・海難対策についてまとめてきました。大事なことは、飲んだら入水しないことです。もし、万が一遭遇してしまった際の対策は、

    • 浮くものを投げる
    • 周囲に助けや応援を求める
    • 118、119、110に電話する

    上記3点をしっかり実行しましょう。

    夏に起こる水の危険を再認識して楽しい思い出を作りましょう。

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