私は元消防士。東日本大震災でも実際に活動してきました。災害発生後に大切なのは正確な情報収集です。ただ欲しい情報がなかなか手に入らないこともしばしば‥そこで本記事で、災害時に有用なラジオのメリットについて解説します。なお、先に結論を述べさせていただきますが、メリットは下記のとおり。
災害時のラジオのメリット
- 聞いている人の気持ちを和らげる
- 避難所などに集まった人達と同時に情報が得られる
- スマホの充電を気にしなくて済む
- 【給水場所は?開いている病院は?】地域で欲しい細かい情報をキャッチできる
上記の4つです。
消防士目線でみても、ラジオは短時間で情報収集できる有用なツールです。今の時代、ラジオをスマホでも聞けますし、利便性が高まり続けています。初心者でも使いやすいラジオも紹介していますので、ぜひ最後まで読んでください。前置きが長くなりました。それでは、行きましょう。
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防災ラジオの有用性って?【災害時におけるラジオのメリット4選】
先に伝えましたがもう一度。災害時にラジオを使うメリットです。1つずつ解説していきます。
① 聞いている人の気持ちを和らげる
被災直後は不安、恐怖‥さまざまなストレスを感じています。
「暖房のない場所で、普段は当たり前にできることが当たり前にできない‥」
そんな中で、ラジオから流れる生の声は不安を和らげる効果があり、激しい疲労感の中で精神的支えの1つになっていたそうです。テレビも同様に音声と映像が流れて、精神的支柱になり得るのですが、地震発生直後では停電が起きることも。つまり、テレビが見られなくなる可能性があります。そのため、多くの人が情報を得たのはラジオでした。ラジオは停電にも強く、ラジオを聞く人々の精神的支柱になってくれます。
② 避難所などに集まった人達と同時に情報が得られる
避難所で多くの人に情報を発信できるのもメリットですね。テレビも同様に多くの人と情報共有できるメディアではありますが、
・停電で電力源を確保できない
・テレビは、コンパクトではないので避難所に用意できるとは限らない
避難所にテレビが置いてあればいいですが、もしなかった場合、誰かが持ってこない限りみることはできません。これがラジオだと、持ち運びもコンパクトです。避難所に身一つで避難してきた人もいるかもしれません。そういった人達とも情報共有できるのも、ラジオのメリットです。
③ 【給水場所は?開いている病院は?】地域の細かい情報をキャッチできる
被災後に欲しい情報は何ですか?給水場所は?被災後に開いている病院は?電気の復旧はいつ?‥さまざまありますが、上記で挙げたように、もっとも欲しい情報は地域情報であることが多いはずです。ラジオならローカルな情報を発信しているチャンネルもあります。現に東日本大震災のとき、地域の防災情報を発信するチャンネルが存在しました。ラジオは停電の影響も受けず、「地域の細かい情報をキャッチできる」。これもメリットです。
④ スマホの充電を気にしなくて済む
情報収集はラジオ以外にもテレビやインターネットなど、さまざまなツールで得ることができます。しかし、ほとんどのツールが電気を使用します。特に身近な情報収集ツールはスマホだと答える人が多いのではないでしょうか?停電が発生していれば充電も困難です。ラジオは乾電池などで使用できますので、充電を気にすることもありません。また、近年のラジオは充電ケーブルがあれば、スマホ充電が可能な機種もあります。ですので、スマホの充電を気にせず情報収集できることもラジオのメリットです。この後、充電可能なおすすめの防災ラジオも紹介します。
選ぶならこれ!|防災ラジオで役立つ機能3選
おすすめの防災ラジオを紹介するその前に、これはあって欲しい機能を紹介します。具体的な役立つ機能は下記のとおり。1つずつ解説します。
① ワイドFM
ワイドFMのメリットは、都市圏でも雑音が入りづらい点です。昔まで広く普及していたAMラジオは、高層ビルの多い都市群などで雑音が入りやすかったです。そのため、地上アナログ放送の終了のタイミングで空いた周波数帯の一部を利用して「ワイドFM」を開始。ワイドFM対応のラジオなら、都市圏でも雑音が入りづらく音声を聞き取りやすいメリットが受けられます。注意点としては、受信には90メガヘルツ以上のFM波に対応したラジオが必要です。
② 手回しで充電やソーラー充電できる
手回しハンドルを回すことで電気を発生させて電力源にできるタイプや、太陽光を利用して充電できるタイプのラジオも販売されています。こういったタイプも利便性が高く、緊急時に電力供給源として有効です。スマホの充電にも利用できるラジオもあります。
③ ライト付きは夜間役立つ
ライト付きなら「懐中電灯いらず」です。もちろん、ライトはライトであった方がいいですが、いざという時に「ラジオにライトがあったな」と代用することも可能なはずです。
今、ラジオを購入するなら、「ライト機能有り」がおすすめです。
おすすめの防災ラジオ
上記の機能を兼ね備えた防災ラジオを2つ紹介します。
アイリスオーヤマ「手回しラジオライト」
パナソニック「FM-AM 2 バンドレシーバー RT-TJ20」
迷ったら上記商品を選んでみてください。
「スマホでラジオ」は災害時の情報収集で有用|その理由は3つ
東日本大震災の発生時は6割が自宅外で被災‥当然、テレビやラジオなど情報源にアクセスするのは困難でした。そのため、情報はスマホなど普段から所持しているツールから得ていました。「ラジオの機能をスマホで得られたらいいな。」こういう思いを叶えるアプリケーションが現代では一般的になっていました。ここでは、スマホでラジオを聞くメリットについて話します。
具体的メリットは下記のとおり。順に解説していきます。
① スマホ1つあればラジオと同じで最新情報をキャッチできる
これがもっとも大きなメリット。スマホでラジオを聞けることで、インターネットからの情報と、ラジオからの情報の両方を獲得できます。画像や動画の情報は見やすいですが、タイムラグがあります。リアルタイムな情報はなかなか得ることはできません。ラジオの方が、リアルタイムな情報を獲得することができます。
② ラジオを(アプリケーションを開く)聞いていてもバッテリー持続時間は長い
ラジオアプリを開いて稼働させているのと、動画アプリを開いて稼働させているのを比較すると、断然ラジオアプリの方がバッテリー消費量は少ないです。下記の図をみていただくと約40時間バッテリーが持続し、動画アプリの約5分の1に抑えることができます。
動画配信・音声配信において満充電で再生し続けられる時間 | 時間 |
radiko | 約40時間 |
Abeam TV | 約7時間 |
You Tube | 約9時間 |
引用:角川アスキー総合研究所 主要コンテンツ配信アプリの通信量/バッテリー消費量調査
③ データ消費量も小さい
通信容量もAbeam TV約7分の1に。データ容量を節約するのにもラジオアプリの方が有利です。
動画配信・音声配信において満充電で再生し続けられる時間 | 時間 |
radiko | 約214時間 |
Abeam TV | 約31時間 |
You Tube | 約8時間 |
- 引用角川アスキー総合研究所 主要コンテンツ配信アプリの通信量/バッテリー消費量調査
→ 「スマホでラジオ」を聞くのにおすすめアプリ 「radiko(ラジコ)」
大容量のモバイルバッテリーも1つ準備しておくとよいかもしれませんね
元消防士が伝えたい|災害被害を抑えるため事前に情報収集すべき6つのこと
災害の被害を小さくするため災害時に得るべき情報は以下の6つです。順を追って解説します。
① 大雨警報は出ているか
大雨警報が出ている場合、道路が冠水や浸水している恐れがあります。警報が出ている時は、不要な外出は避けてください。
② 冠水や水没している地域の情報はないか
冠水や水没情報も事前に調べておきます。各市町村で、ハザードマップを準備しているところが多く、自分が住んでいる地域の危険度も把握しておくと避難のタイミングをする指標にできます。
③ 住んでいる住宅は安全な作りか
住宅が木造建築なのか鉄骨住宅なのか耐震補強はなされているのか。どれくらいの強度があるのか把握しておくといいでしょう。もし、耐震改修が必要な状態であるならば、事前の補修工事を依頼するなど検討してもいいかもしれません。
④ 避難指示、勧告は出ているか
台風などで住んでいる地域を通過するときでは避難指示、勧告が出ていることもあります。早い段階で情報をキャッチすることが重要です。
⑤ 防災グッズは準備できているか
防災グッズを準備できているでしょうか?もし、準備ができていないようなら、事前に準備しておきましょう。
⑥ 揺れはどのくらい続いたか
地震の揺れが長い場合は津波の危険性が高まります。海沿いにお住まいの方は、高台などに避難するルート確認をしておきましょう。また、家族のいる方は避難場所を事前に決めておきましょう。
まとめ
災害時の情報収集にスマホやラジオを活用しましょう。
メリットをもう一度、確認すると、
災害時のラジオのメリット
- 聞いている人の気持ちを和らげる
- 避難所などに集まった人達と同時に情報が得られる
- スマホの充電を気にしなくて済む
- 【給水場所は?開いている病院は?】地域で欲しい細かい情報をキャッチできる
これから首都直下型地震も近い将来に起こるとも言われています。日本は、地震大国であり災害の多い国です。これまで以上に災害情報をキャッチできる準備をはじめましょう。