大きな地震はいつ・どこで発生する?

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「日本は地震大国と呼ばれているけど、次に大きな地震がくるとすればいつ頃、どこで発生するのですか?」

こういった疑問を解決します。

私は元消防士。過去に消防署勤務中、東日本大震災を経験しました。実際に行ったことは、帰宅困難者への炊き出しでしたが、地震の恐さを知りました。交通網は麻痺。電気、ガス、水道など当たり前に使えなくなり食料の調達も困難……だからこそ、平時のときから大きな地震に備えて1人1人準備することが大切だと感じています。

この記事を読めば、これから起こる可能性が高い大きな地震を学べ、何を今から準備すれば良いのか。実際に地震が発生した時にどんな危険を想定して避難しなければならないのか知ることができます。ぜひ、最後まで読んでください。

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今後懸念されている地震とは?

 いつ起きてもおかしくないと言われているのは「首都直下型地震」「南海トラフ地震」です。どういった地震なのか、1つずつ解説します。

首都直下型地震

首都直下型地震は、南関東(東京都、茨城県、千葉県、埼玉県、神奈川県、山梨県)地域のどこかを震源として起こるマグニチュード7クラスの直下型地震を指します。直下型地震は内陸で起こる地震を言います。東京を震源とする地震ではありません。

南海トラフ地震

四国の南の海底にある水深4,000メートルの深い溝で発生する可能性がある地震を指します。フィリピン海プレートがユーラシアプレートに潜り込んでいるため地震が発生しやすい地帯になっています。過去を振り返ると東海地震、東南海地震、南海地震が100年〜200年間隔で発生しています。

大きな地震が発生するのはいつ?

大きな地震(首都直下型地震・南海トラフ地震)が発生する時期について、首都直下型地震、南海トラフ地震の順に解説します。

首都直下型地震

過去に関東で起きたマグニチュード8クラスの地震は「1703年 元禄地震」「1855年 安政江戸地震」「1923年 関東大震災(大正地震)」です。現代は2021年なので、関東大震災から100年程度しか経っていません。そのため、震源を同じとするマグニチュード8クラス地震は近い将来には発生しないと結論づけています。しかしながら、マグニチュード7クラスの地震の発生が頻繁に起こっていることに警戒しておかなければならないという声が挙がっています。

「地震調査研究推進本部」の研究結果では、「今後30年以内に、南関東でマグニチュード7クラスの地震が起こる確率は70%」と推測しています。どうして70%の確率で起きるのか?想定の裏付けとされるのが、過去に発生した8つの大きな地震が根拠とされています。

  • ① 1782年 8月23日 「天明小田原地震」(M7.0)
  • ② 1853年 3月11日 「嘉永小田原地震」(M6.7)
  • ③ 1855年11月11日 「安政江戸地震」(M6.9)
  • ④ 1894年 6月20日 「明治東京地震」(M7.0)
  • ⑤ 1894年10月 7日 「東京湾付近の地震」(M6.7)
  • ⑥ 1895年 1月18日 「茨城県南部の地震」(M7.2)
  • ⑦ 1921年12月 8日 「茨城県南部の地震」(M7.0)
  • ⑧ 1922年 4月26日 「浦賀水道付近の地震」(M6.8)

この8つの大地震は1703年の「元禄関東地震」(M8.2)と1923年の「大正関東地震(=大正の関東大震災)」(M7.9)の間に発生しています。関東南部の沖合には「相模トラフ」があり南からフィリピン海プレートが沈みこんでいます。「元禄関東地震」と「関東大震災」はいずれもこのプレートの境目「相模トラフ」で発生した“巨大地震”です。地震調査委員会は「元禄関東地震」から「関東大震災」までの220年間を1サイクルと考え、マグニチュード7クラスの大地震の発生確率を計算しています。

220年のうち、8つの大地震が発生しており、そこから今後のマグニチュード7クラスの大地震が発生する将来予測を出すと、単純計算27.5年に1回。つまり、約30年に1回の確率で地震が起きるのです。

南海トラフ地震

さらに懸念しなければならないのが、「南海トラフ地震」です。南海トラフ地震は、100〜150年間隔で発生しています。直近の南海トラフを発生源として起きた地震は、昭和東南海地震(1944年)、昭和南海地震(1946年)であると言われていますので、近いうちに発生するとの専門家の声も挙がっています。平成7年6月に「地震防災対策特別措置法」を制定した後、政府機関である「地震調査研究推進本部」を設置しました。「地震調査研究推進本部」の研究データを下記に掲載します。

○将来の地震発生の可能性
地震の規模 : M8~M9クラス
地震発生確率: 30年以内に、70%~80%
地震後経過率: 0.85
平均発生間隔: 88.2年

上記データは、南海トラフ沿いで起こる地震の話です。

【地震が起きるとどうなる?】被害予測

地震が起きるとどうなるかと考える時は、過去に発生した大きな地震から学ぶのが1番です。この記事を読んでいる働く現役世代・地震について学びたいと考えている若い世代も、これから紹介する大きな地震は知っている人が多いのではないでしょうか。下記2つの大きな地震の被害を学び、起こりうる被害を予測しましょう。

阪神・淡路大震災

1996年に発生した阪神・淡路大震災の被害概要です。

項目 件数
死者数 約6,400名
負傷者数 43,000名以上
被害の種類 高架橋の倒壊・落橋、港湾埠頭の沈下
断水 約130万戸
停電 約260万戸
ガス供給停止 約86万戸
家屋の倒壊・ケーブルの焼失被害 約19万件
固定電話設備障害 約30万件
農林水産業関係の被害額 約900億円

阪神・淡路大震災の時代、連絡手段はまだまだ固定電話だったので連絡が途絶えてしまった人が多数発生しました。河川堤防の沈下・亀裂被害も発生したため、農地やため池なども甚大な被害を出しています。

東日本大震災

まだ記憶に新しい人も多いのではないでしょうか。東日本大震災の被害概要です。

項目 件数
死者・行方不明者数 25,000名以上
浸水被害(千葉・茨城・福島・宮城・岩手・青森の6県62市町村の合計) 561平方キロメートル
停電 約850万戸
都市ガス供給停止数 約46万戸
水道供給停止数 約160万戸
固定電話(電話不通被害) 約100万回線
携帯電話基地局(停波局数) 12,000基地局
地震発生による被害(政府試算) 16兆〜25兆円(推定)

大きな交通機関マヒが発生し、帰宅困難者が多く発生しました。建物・人的被害はなくても交通遮断による被害を受けた人が続出しました。

もし首都圏で大きな地震が発生したら?

もし首都圏で大きな地震が発生したらどうなるのでしょうか?内閣府が試算を出しています。

① 地震の揺れによる被害

(1)揺れによる全壊家屋:約175000棟 建物倒壊による死者:最大 約11000人
(2)揺れによる建物被害に伴う要救助者:最大 約72000人

② 市街地火災の多発と延焼

(1)焼失: 最大 約412000棟、建物倒壊等と合わせ最大 約610000棟
(2)死者: 最大 約 16000人、建物倒壊等と合わせ最大 約 23000人

③ インフラ・ライフライン等の被害と様相

(1)電力:発災直後は約5割の地域で停電。1週間以上不安定な状況が続く。
(2)通信:固定電話・携帯電話とも、輻輳のため、9割の通話規制が1日以上継続。メールは遅配が生じる可能性。
(3)上下水道:都区部で約5割が断水。約1割で下水道の使用ができない。
(4)交通:地下鉄は1週間、私鉄・在来線は1か月程度、開通までに時間を要する可能性。
主要路線の道路啓開には、少なくとも1~2日を要し、その後、緊急交通路として使用。
都区部の一般道はガレキによる狭小、放置車両等の発生で深刻な交通麻痺が発生。
(5)港湾:非耐震岸壁では、多くの施設で機能が確保できなくなり、復旧には数か月を要する。
(6)燃料:油槽所・製油所において備蓄はあるものの、タンクローリーの不足、深刻な交通渋滞等により、非常用発電用の重油を含め、軽油、ガソリン等の消費者への供給が困難となる。

④ 経済的被害

(1)建物等の直接被害:約47兆円
(2)生産・サービス低下の被害:約48兆円 合計:約95兆円

【実際に予想される危険とは?】4つあり

では、地震が起きた時に予想される危険は何なのか。過去の地震から想定されることを学びましょう。具体的には下記の4つです。

① 地震洪水

地震洪水は、地震発生に伴い堤防が決壊してしまい洪水を起こしてしまうことです。この現象は阪神・淡路大震災でも認められていましたが、大きな被害を出さなかったため大きくメディアに取り上げられることもありませんでした。特に注意すべき地域は「水深0メートル地域」です。なぜなら、堤防が一部分でも決壊しただけで浸水被害に遭ってしまうからです。実際に東京都江戸川区や葛飾区は「水深0メートル地域」が多くあります。葛飾区の洪水ハザードマップでは、葛飾区内から避難するよう指示しています。

地震のあとに大雨や台風など発生したら、大きな洪水被害を発生しかねません。

 

💡  ポイント

  • 地震洪水の危険は、「水深0メートル地域」では地震の揺れだけでなく考えなくてはいけないことです。地震の揺れから身を守り、さらに洪水の危険も考える必要があります。平時からできることとすれば、自分の住む地域のハザードマップを確認することです。もし、「水深0メートル地域」なら、洪水の危険も考慮して避難方法も検討しておきましょう。

② 群衆雪崩

群衆雪崩は、地震が起きた後、避難する際に避難する人々に押し倒されてしまう現象を言います。海外で、イスラム教徒の巡礼時に多く犠牲者を出したのも有名です。日本では2001年に明石花火大会歩道橋事故で11名が亡くなり、247名が負傷しています。地震が起き、交通網が麻痺した状況では、徒歩で避難する人が多いはずです。そんな時こそ、注意しなければなりません。

では、どうすればいいのでしょうか。

 

💡  ポイント

  • 結論、群衆雪崩に遭わないためには避難のタイミングを誤らないことです。なぜなら、皆が同時タイミングで避難するから群衆雪崩が発生するからです。地震が発生したとしても、必ず避難所へ逃げる必要はありません。地震で帰宅が倒壊危険があるのか。なければ、無理に避難所へ行く必要もないでしょう。その他にも洪水、火災など発災後に危険があるかもしれません。ハザードマップや、地震発生後の政府からの情報に逃さず、適切な避難するタイミングを見定めましょう。

③ 同時多発火災

同時多発火災というものは、1棟の家から火が出ると、その隣家へ火が移り、さらにその隣家へ……これを同時多発火災と呼びます。もちろん、消防車が消火活動をして延焼を防ぐのが平時の活動ですが、地震発生時には多くの地点で火災発生が予想されます。つまり、消防力が足りず、火を消しにいけない可能性が高いのです。

中でも、木造住宅が立ち並ぶ木密地域があるところでは、火の回りが早く延焼危険が高まります。木密地域は都心を囲むように並んでおり、木密地域は別名「延焼運命共同体」と呼ばれています。延焼運命共同体は東京に約70ヶ所存在すると判明しており、首都直下地震発生時に火災危険が高いです。同時多発火災で、危険が及ぶタイミングは避難する時です。逃げている最中に、発生する火災で逃げ場所を失い、死傷する可能性が発生します。

 

💡  ポイント

  • 火元が遠い地域であったとしても、なるべく早いうちから避難しておくことも必要です。また、重要なポイントは初期消火です。小さな火種のうちに消火してしまえば、延焼する危険も消失します。ただ、自分たちで火を消せるのか判断が難しいところ。火炎が自分の身長ほどの高さに及んだら初期消火は中断し、「広域避難場所」へ避難しましょう。

④ 火災旋風

火災旋風は、複数の場所で火災が発生した際に発生する旋風(つむじ風)です。東日本大震災、関東大震災の時には、多くの火災旋風が発生し、住宅を燃やしました。火災旋風は、移動しますので、自宅付近から離れていても、押し寄せてくる可能性はあるのです。

 

💡  ポイント

  • もし、火災旋風が発生してしまったら、風下には逃げず、延焼中の地域から避難します。もし接近してしまったら、鉄筋コンクリート造などの建物に避難して、飛散物から自分の身を守りましょう。

【地震への備え】今から準備できることを考えよう!

大きな地震が発生すると甚大な被害を受けます。

・人的被害
・生活インフラの遮断
・交通インフラの麻痺

そのため、わたし達が今から準備できることを考える必要が出てきます。行動すべきことは2つです。1つずつ解説します。

① 居住地の避難場所・避難ルートを確認する

まず実行することは、あなたの住む地域の避難場所を確認してください。住む地域でどんな危険があるのかハザードマップを活用して確認も併せて行いましょう。ハザードマップをみれば、避難場所・自然災害による被害の種類が地図上で知ることができます。

② 防災備蓄品の用意

防災備蓄品の用意ができているのかも確認しましょう。被災してから一定期間は食料等が供給されない状況が予想されます。ですので、食料3日分の準備を行いましょう。防災備蓄品の準備は下記の記事を参考に!

まとめ

大きな地震は、30年に1回の間隔で発生しています。関東、関西、東海地方と広い範囲で発生することが懸念されています。時間が経過すると地震があったことを……地震の恐さを忘れてしまいがちです。過去の地震の教訓から学び、平時からしっかりと備えるようにしましょう。

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