冬の防災対策マニュアル|冷え・低体温に備える方法まとめ

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私は元消防士。冬の災害現場で長期間活動した経験もあります。冬の防災対策は、寒さに対してどう対策を講じるか。これが最も重要なことです。この記事では元消防士が、消防士目線で防災対策について解説していきます。寒さは体力を奪うだけでなく、冷静な思考力までも喪失させます。だからこそ、冬の防災対策を学ぶメリットがあるのです。なぜなら、実際に地震や停電など有事の際、どのような行動をすればいいのか把握できるようになるからです。この記事を読むことで、あなた自身のため、そして、あなたの大切な人のためにできる冬の防災対策を基礎から学べます。それでは行きましょう!

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冬場に怖いのは”停電”|冬に停電が起こる原因

冬場に災害が起こって怖いこと‥あなたは、どういうイメージを持ちますか?建物の倒壊、火災の発生、家屋への浸水‥さまざまありますね。その中で、もっとも怖いのは”停電”と私は感じます。なぜなら、長期的に体力も精神的も奪うからです。発災直後の数時間だけが、”被災”したことではありません。数週間、数か月、数年と被災した期間は長く続きます。停電すると、冬場に必要な電気を使用する暖房機器が使えなくなります。ですので、停電は怖いのです。冬の停電が起こる原因は、以下の理由が原因として多いです。順を追って解説します。

【冬に停電が起こる原因1】積雪

積雪の中でも0度前後の雪は、多くの水分を含みます。電線や木の上に積もった雪の重みで断線してしまい、停電‥ こういったことで発生することもあります。

【冬に停電が起こる原因2】雷

雷は夏のイメージが多いかもしれません。ですが、日本海側で発生した雷雲が北風で運ばれて雷を発生させます。電線や変圧器などの設備に損傷を与えて停電を起こさせます。日本海側で発生するので、やはり日本海で多いですね。雷と併せて強風も発生するため、寒さ対策をしておかなければならないことも注意すべき点です。

【冬に停電が起こる原因3】地震、津波

地震、津波で被害を受けて停電することもあります。これは気象情報などで事前に予測することもできないため、まさに不意打ちで発生します。だから、何の準備もしていない状態で停電が起こる可能性が高いです。他の原因と大きな違いは、津波や地震で電気設備自体が故障してしまう点です。そのため、復旧までに多くの時間を要します。上記のような理由で停電は発生します。事前に対策できるものなら良いですが、対策できない時はどのような行動をすべきなのでしょうか。次の見出しで解説します。

 

【冬の防災対策】停電時にできる寒さ対策

停電時にできる寒さ対策をあげます。順を追って解説します。

【停電時にできる寒さ対策1】ストーブ

ストーブは電気を必要しない暖房機器として重宝します。ストーブには、石油・ガスの種類があり、電池とストーブもしくは電池とガス(カセットガス)があればすぐ使用できます。停電などに備えて灯油を多めにストックしておくことは防災対策になります。ガスは石油ストーブには劣りますが、カセットガスは調理用としても使えるので、災害時に利便性が高いです。

【停電時にできる寒さ対策2】冬用の衣類、寝具

冬用の衣類や寝具は、電気が止まった状態でも、体の体温を下げずに済む保温アイテムです。自分の体温を逃さないで体を温めるため、エネルギー源を必要としません。衣類の着脱で体温をコントロールでき、寝る時は毛布を被って暖かく過ごせます。ストーブである程度、室内を温めて、その後は衣類や寝具で体温調節することもできますね。

【停電時にできる寒さ対策3】防寒シート/アルミシート

防寒シート/アルミシートは室内の保温力を高めます。

  • 窓に貼る
  • 床に敷く

などさまざまな方法で寒さ対策が行なえます。これを敷く(貼る)ことで、屋外から冷気を遮断する効果があります。

【停電時にできる寒さ対策4】カイロ

カイロは体の冷えている部分に当てて温めることができます。「ハクキンカイロ」というものもあり、使い捨てカイロより13倍もの熱量があり、寒冷地で重宝すること間違いなしです。ただし、ベンジンという熱源が必要ですのでご注意ください。

 

消防士も実践している|冬の寒さ対策のためのアクションプラン

火災や救助活動で、冬の寒さ対策として行っていること、気をつけていること、暖房機器が使えない時に有用だったモノを紹介していきます。順を追って解説します。

【冬の寒さ対策のためのアクションプラン1】すぐできる寒さ対策

すぐできる寒さ対策は、まず「衣服は重ね着すること」です。重ね着するのに必要なモノは、衣服のみです。特に、暖房機器は必要ありません。着る衣服すら喪失してしまった‥というのであれば、「新聞紙を服と服の間に挟む」のも保温効果があります。ぜひ試してみてください。

逆にしない方がいいのは、体を締め付けすぎること。体を締め付けすぎてしまうと、血行を悪くしてしまい、冷えの原因になってしまいます。ですので、締め付けすぎはよくありません。体の中で防寒力を高める部位。つまり温めた方が良い部位は、首筋や手首、足首など「首周り」です。この部位を温めると保温効果を高めてくれます。「マフラーを巻く」、「手袋をする」など、日々の生活をイメージしてみても「首周り」を保温する行為が多いですよね。ですので、寒いときこそ「首周り」を積極的に保温するようにしましょう。

【冬の寒さ対策のためのアクションプラン2】自分自身や、周りの隊員の「体調管理」にも気を配る

気をつけていることとして、「体調管理」も気を配るようにしています。なぜなら、消防士の活動は一人ではできない仕事ばかりです。

火を消す行為1つ見ても、

  • ホースを延ばす
  • ポンプ車で消火栓から吸水する
  • 筒先から放水する

といった行動を同時並行で行います。到底、一人ではできないものです。だからこそ、周りに目を配ることは消防士には欠かせません。(隊長であるなら)部下の体調管理、自分自身の体調管理(自己管理)などですね。一人でも不調な職員がいれば、活動に支障が発生しますから。

消防の世界ではなく、皆さんの周囲の人で特に注意して見たほうがいいのは、

  • ご高齢の方
  • 子ども
  • 障害を持っている人
  • 外国人

などでしょうか。なぜなら、被災して避難所生活を過ごしていると、精神面も体力面も消耗してしまうからです。避難所生活をイメージしてみてください。

  • 体育館の床から底冷え
  • 仮設トイレは屋外にある(ヒートショックの危険性)
  • 非常食中心で偏りがちな食生活

こういう生活を数週間、数か月続けていけば、体調を崩しやすくなるのは容易に想像できます。ご高齢の方、子ども、障害を持っている人、外国人は「災害弱者」とも呼ばれており、特に注意深く気を配らなくてはいけません。消防で冬場は特に「体調管理」は意識しています。

【冬の寒さ対策のためのアクションプラン3】災害による冬の避難所暮らしで有用なモノ|ダンボール

災害による冬の避難所暮らしで有用なモノと感じるのはダンボールです。ダンボールは、寒さを遮るモノとして使えます。それを実感したのは、災害を想定して冬期に行ったテントで一泊した野営訓練です。1月。署敷地内において、コンクリート上にテントを設置しましたが、とにかく底冷えで眠れません。そこで、ダンボールを敷いて、その上に寝袋を用意。寝てみたところ、底冷えを強く感じず眠りにつくことができました。その経験から、冬の避難所などにおいても底冷え対策としてダンボールをおすすめします。ダンボールベッドという商品も販売しています。

冬の防災対策のまとめ

冬の防災対策についてまとめてきました。冬には、冬ならではの寒さに対しての防災対策が必要です。結論として、冬の防災対策をしたとしても、被災した被害をくい止めることはできません。できないですが、対策をしていないと生死に関わる危険な状態になりかねないのも事実です。そのため、今日から冬の防災対策をしっかり行い、冬の災害に備えましょう。

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