オレオレ・振り込め特殊詐欺は、数年前まで高齢者のみを狙った電話の詐欺として言われていましたが、現在はさまざまな特殊詐欺の手口があります。オレオレ・振り込め詐欺は、金品の被害だけでなく詐欺に合ったことで人間不信になったり、絶望を感じる人も少なくありません。今回は、オレオレ・振り込め特殊詐欺の手口や防犯対策5選を紹介します。自分の身をしっかり守るためにもぜひオレオレ・振り込め詐欺の知識を理解し防犯対策を行ってください。

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オレオレ・振り込み特殊詐欺の件数と被害額

特殊詐欺の認知件数

オレオレ・振り込み特殊詐欺は、2017年より緩やかに現象傾向ですが、2020年には還付金詐欺や持続化給付金詐欺などの給付金詐欺も発生しています。2020年から2021年1月にかけて発生したオレオレ・振り込み特殊詐欺の件数は以下の通りです。

特殊詐欺 発生状況

この内容から見ても分かるように、大都市を中心に被害が集中し、被害総額は1年間で約285億円となっています。また、警察に届けられている件数が13550件ですので、警察に届け出を出していない被害も含めたら14000件を超えていると予想できます。オレオレ・振り込め詐欺は決して他人事ではありません。いつ何が起こるか分からないのでしっかり対策をしておきましょう。

オレオレ・振り込み特殊詐欺の手口とは？

オレオレ・振り込み特殊詐欺の種類は、大きく分けて大きく分けると以下の3つに分かれます。それぞれ内容を紹介していきます。

【特殊詐欺の手口1】オレオレ詐欺

息子や孫を偽って電話をかけてきて、多額の金銭をだまし取る方法です。いつもと違う電話番号でかかってきても、「電話番号を変えた」「風邪を引いた」などと嘘をつき巧みに相手をだまします。特に1人暮らしの高齢者に被害が多いです。

【特殊詐欺の手口2】振り込め詐欺

振り込め詐欺は、電話やメール、ハガキを使って金銭を要求し、指定の口座に振り込みをさせる方法です。振り込め詐欺は、身に覚えのない請求がメールやハガキでくる架空請求詐欺や還付金や持続化給付金がもらえると嘘を付き、口座間送金をさせる還付金詐欺、キャッシュカードが不正利用されているなどの嘘をついて暗証番号を聞き出すキャッシュカード詐欺を総称したものを言います。現在、金銭の振り込みだけでなく、現金書留での郵送や電子マネーを購入させIDカードを教える詐欺もあります。振り込め特殊詐欺は、電話だけの被害ではなく、電話番号やメールアドレスにもメールを送信されてきますので、年齢問わず誰もが起こりうる詐欺です。

【特殊詐欺の手口3】その他の詐欺

この他には、結婚詐欺や高い商品を購入させようとする詐欺があります。

詐欺事例の一覧

以下に詐欺事例の一覧をご紹介します。防犯対策は事例で覚えておくのが一番です。頭にいれておきましょう。

【詐欺事例の一覧1】オレオレ詐欺

① 「会社の金を使い込んだ。返さないとクビになってしまう。」　(茨城警察より抜粋)
② 「会社のお金が入ったカバンを落としてしまった！今日中にお金がいるんだけど、何とかならない？」という子供からの電話　(警察庁特殊対策ページより抜粋)
③ 「友人の借金の保証人になった」と孫から電話　(ゆうちょ銀行より抜粋)
④ 「不倫相手を妊娠させた。示談金が必要。」と子供から電話　(大阪府警察より抜粋)
⑤ 警察官を名乗る者から「息子さんが電車内で痴漢をしたので取り調べています」と連絡　(楽天銀行より抜粋)

【詐欺事例の一覧2】振り込め詐欺

① 税務署・役所などの職員を名乗る人から「税金の返還金（または医療費の還付金）があります」と連絡 　 (ゆうちょ銀行より抜粋)
② 知らない相手から「あなた〇〇のHP見ましたよね。〇〇のHPは有料で接続料として今すぐ〇〇円払ってくださいよ」　(金融庁より抜粋)
③ 警察官と名乗る人から「特殊詐欺グループを捜査しているのですが、あなたのキャッシュカード(銀行口座)が不正に悪用されていることが分かりました。手続きを行いますので、この封筒にキャッシュカードと暗証番号を書いたメモを入れてください。」　(警察庁特殊対策ページより抜粋)
④ 中国警察と名乗る人から「あなたが犯罪に関係している可能性がある。対処するためにお金を払ってください」　(千葉警察より抜粋)
⑤ 「未払いの料金があります。今日中に払わなければ裁判になります」と葉書がきた 　(警察庁より抜粋)

オレオレ・振り込み特殊詐欺の防犯対策は？

オレオレ・振り込め特殊詐欺を防ぐ防犯対策を紹介します。

【特殊詐欺の防犯対策1】自宅の電話・携帯電話を工夫する

オレオレ・振り込め特殊詐欺を防ぐには、自宅の電話を工夫することが大切です。

オレオレ・振り込め詐欺は、自宅の電話や携帯電話に電話がかかってくることが多いです。電話にでてしまうと詐欺に合う場合が多いので、電話にでないことがトラブル防止につながります。電話にナンバーディスプレイ機能を設置することや必要な電話以外拒否設定すると電話に出る心配がありません。また、オレオレ・振り込め詐欺は留守電にメッセージを残すことがありません。ナンバーディスプレイ機能がついていない電話は、自宅にいながら留守設定をしておくと対策できます。この他に、自宅の電話の電話帳に情報を記載している人は、電話がかかってきやすいです。電話帳の削除も検討しましょう。

【特殊詐欺の防犯対策2】自分がオレオレ・振り込め特殊詐欺にかかるかもしれないという意識を持ち、情報収集する

平成29年に行われた内閣府の調査によると「自分は詐欺に合わない」と思っている人が80.7％です。詐欺に合わないと思っている人ほど詐欺に合ってしまいます。詐欺に合わないと思っている人は、詐欺を警戒している人に比べて情報収集をしません。詐欺の手法は日々変わってきます。常に新しい情報収取をして危機管理を持ちましょう。

【特殊詐欺の防犯対策3】家族間で合言葉を決めておく

家族間で合言葉を決めておくのもオレオレ詐欺を防止する手段です。電話の声だけでは家族と認識できませんし、他の電話からかかってくる場合もあります。家族しか分からない合言葉を電話の際、伝えると家族と認識可能です。

【特殊詐欺の防犯対策4】迷惑電話対策のついた電話機の購入

固定電話はもちろん、携帯電話の中にも迷惑電話対策がされている電話を販売されています。迷惑電話対策のついた電話機を購入することもオレオレ・振り込め詐欺を未然に防ぐ方法です。

【特殊詐欺の防犯対策5】身に覚えのないもは受け取らない

自宅に身に覚えのない高額な商品が届くこともあります。身に覚えのない商品は受け取らず受け取り拒否をすれば詐欺を防げます。相手に荷物を送る際は、詐欺を防ぐためにも荷物を送ることを伝えておきましょう。

【特殊詐欺の防犯対策6】玄関にステッカーを貼っておく

訪問販売の詐欺に合わないために自宅の玄関に「訪問販売お断り」のステッカーを貼っておくと訪問されることが少ないです。

オレオレ・振り込み特殊詐欺の防犯対策おすすめグッズ

オレオレ・振り込み特殊詐欺を未然に防ぐおすすめグッズを紹介します。

【特殊詐欺の防犯対策おすすめグッズ1】詐欺バスター

1つ目に紹介するのが、長野中央警察署が監修した振り込め詐欺の撃退グッズ『詐欺バスター』です。手のひらサイズのグッズで、ボタンを押すと「警察に相談させていただきます」「あなたの電話番号と住所を言ってください」など12種類の音声が流れてきます。詐欺の電話と分かっているが電話を切りづらい方やどう対応すれば分からない方におすすめです。

【特殊詐欺の防犯対策おすすめグッズ2】警告グッズ(あんしんみーちゃん)

静岡県警察と株式会社パートナーズが共同開発したのが『警告グッズ「あんしんみーちゃん」』です。かわいい人形ですが、電話がなると「詐欺に注意してください」などと注意喚起をしてくれるアイテムです。

【特殊詐欺の防犯対策おすすめグッズ3】発信者の声を録音し詐欺防止する(振り込め詐欺見張り隊117)

警視庁と防犯グッズを取り扱っているレッツコーポレーションが共同開発した製品が、『振り込め詐欺見張り隊117』です。電話の発信者に対し、「この電話は振り込め詐欺等犯罪被害防止のため、会話内容が自動録音されます」とアナウンス後、自動録音されます。また、ワンタッチボタンがあり、ワンタッチボタンを押すとあらかじめ登録されていた電話番号に緊急事態が発生していることを伝えられます。

まとめ

オレオレ・振り込め特殊詐欺は、いつ起こるか分かりません。詐欺かも知れないと思った際は、1人で悩まず、警察や家族・友人に相談しましょう。