「金庫の仕様にあるマークの意味がよくわからない!」そんな方のために、この記事では金庫の性能表示マークを一気にご紹介します。
性能表示の意味がわかっていると、金庫をより有利に選ぶことができます。「もう少し高い強度の金庫が欲しいんだけど」「こんなに頑丈な金庫じゃなくていいいよ!」など、いろんなニーズがあるかと思います。そんな時に役立つのが性能表示です。性能表示マークでわかるのは、「何を、何から、どのくらいの時間」守ってくれるのかということです。かなり細かく設定されていますが、パターンがあって把握しやすいですので、ご安心下さい。
では、さっそく見て行きましょう。
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耐火金庫の性能表示マーク一覧
性能表示マークはシンプルで分かりやすいものばかりです。数字はそのまま試験時間を表しています。
試験時間 | 4時間 | 3時間 | 2時間 | 1時間 | 0.5時間 |
一般紙用耐火試験合格品 | |||||
フレキシブルコンピュータディスク用耐火試験合格品 | |||||
急加熱・衝撃落下併用試験合格品 |
耐火性能表示マークを決定する耐火性能試験
耐火性能がどんなものかを知るには、その性能を評価する試験内容を知るのが一番分かりやすいです。耐火性能試験には以下の3種類がありますので、一つずつ内容をみてみましょう。
耐火性能試験 3種類
- 一般紙用耐火試験
- フレキシブルコンピュータディスク用耐火性能試験
- 急加熱・衝撃落下併用試験
一般紙用耐火試験
試験する金庫の内部壁面全体に新聞紙を貼り付け、少しもんだ新聞紙も一緒に入れて加熱します。加熱温度は843~1093℃で、30分で一気に843℃まで加熱し、その後少しずつ温度を上げて行く、という方法がとられています。合格基準は庫内の温度が177℃以上になっていないことと、内部に貼り付けた新聞が読める程度の劣化で済んでいることです。
フレキシブルコンピュータディスク用耐火試験
加熱方法は一般紙用耐火試験と同じですが、基準は以下の2点です。
・最高温度:52℃以下
・最高湿度:80%以下
一般紙用耐火試験に比べると、かなり厳しい基準であることがわかります。
急加熱・衝撃落下併用試験
この試験では最初から炉を1090℃に加熱しておきます。その後、
① 試験する金庫を加熱済みの炉に決められた時間だけ入れる。
② 破裂がないのを確認。
③ 更に加熱。
④ 4分以内に取り出し、9.1メートルの高さから落下させる。
⑤ 更に加熱。
⑥ 自然冷却。
以上の結果、破裂がないかどうか確認します。こちらもかなり厳しい試験ですね。
防盗金庫の性能表示マーク一覧
では、実際の性能表示マークを確認してみましょう。こちらも耐火性能表示と同じで、数字がそのまま試験時間を表しています。
試験時間 | 60分 | 30分 | 15分 |
耐溶断・耐工具 (TRTL) |
|||
耐工具 (TL) |
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耐工具 (TS) |
防盗性能表示マークを決定する防盗性能試験
次に防盗金庫の性能についてご説明します。防盗性能試験には、以下の3種類があります。合格基準は「決められた時間、破壊されないこと」です。
防盗性能試験 3種類
- 耐溶断・耐工具(TRTL)防盗試験
- 耐工具(TL)防盗試験
- 耐工具(TS)防盗試験
耐溶断・耐工具(TRTL)防盗試験
・ガスバーナーによる溶断
・バールを使ったこじ開け
・簡易工具と電動工具による破壊
耐工具(TL)防盗試験
・バールを使ったこじ開け
・簡易工具と電動工具による破壊
耐工具(TS)防盗試験
・電動工具をのぞく簡易工具での破壊
その他の性能・注意表示一覧
日セフ連が定める「その他」性能表示は、警報装置が付いているかどうかのマークのみです。
警報装置付 |
そもそも日セフ連ってどういう団体なの?
ここまで金庫の性能表示についてご紹介してきました。では、これらのマークを定めている日セフ連とは、そもそも何なんでしょうか?わからない方も多いかと思いますので、ご説明します。
「日セフ連」というのは、「日本セーフ・ファニチュア協同組合連合会」の略称です。「セーフ・ファニチュア」というのは金庫のことを指します。つまり、金庫を取扱う事業者の協同組合連合ということですね。組織としては、全国5地区の協同組合から成り立っています。具体的には、東京、中部、大阪、中国、九州の、計5地区です。主な活動は、事業者に対する金庫の基準の設定と、消費者に対する基準の啓蒙です。これらを通して、金庫業界の活性化に努めています。
日セフ連の歴史は古く、昭和16年に全国金庫連合会として創立。以来50年以上にわたり、活動を続けているわけです。金庫の性能表示も消費者に対する基準の啓蒙の一環ですね。非常にわかりやすく、金庫を選ぶ際の良い手助けになります。
まとめ
金庫を選ぶときに気になるのは、やはり性能ですよね。その性能をわかりやすく伝えるためのツールが性能表示です。
例えばあなたが「こじ開けに強い金庫が欲しい」と考えてる場合には、防盗性能の表示がある金庫を探せば良いわけです。逆に性能表示を見て「ここまでの性能は必要ないな」と思ったら、もう少し性能をおさえた金庫を探すことで、コストカットすることができるでしょう。
ぜひここでご紹介した性能表示を、金庫を選ぶ際の参考にしてみてくださいね。
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